6月は、仲介・自社買取・自社物件の売却など、多くのお取引をさせていただきました。
お力添えいただいた仲介業者の皆様、司法書士の先生方、そして売主様・買主様に、心より御礼申し上げます。その中でも特に印象に残ったのが、S様よりご相談いただいた「太宰府市の土地売買」の案件です。
最初のお問い合わせをいただいたのは、今から約4年前。一括査定サイトを通じてのご相談でした。
S様は遠方にお住まいで、まずは査定書の送付をご希望されたため、現地を確認した上で査定書を作成し、お送りいたしました。
対象の土地はS様が所有されていたものの、建物は未登記。かつては一般的だった「借地に借主が建物を建てて住む」という、現在では非常に珍しい形態の物件でした。
このようなケースでは、いわゆる“底地”としての評価となるため、どうしても相場より価格が下がってしまいます。実際にご提示した金額もやや控えめとなり、当時は「検討します」とのお返事を最後に、ご連絡は途絶えていました。
それから約4年後の今年1月、S様から再びご連絡をいただきました。
その際にいただいたお言葉は、今も心に深く残っています。
「当時いただいた査定書が、他社と比べても非常に丁寧で分かりやすく、信頼できると感じた。」
当社の査定書は、すべて自社オリジナルで作成しており、不動産に詳しくない方でも「見やすく」「分かりやすい」と感じていただけるよう心がけています。その姿勢をしっかりと受け取っていただけていたことが、本当に嬉しく、私たちの取り組みが間違っていなかったと改めて感じた瞬間でした。
その後は話もスムーズに進み、条件にご納得いただける買主様にも恵まれ、3月に売買契約を締結。そして6月末、無事にお引き渡しを終えることができました。
今回の土地は、太宰府天満宮や太宰府政庁跡などで知られる、歴史的にも非常に重要なエリアにあり、「埋蔵文化財包蔵地」に該当していました。試掘調査の結果、実際に埋蔵文化財が発見され、一時は驚きましたが、盛土などの対策により「建築可能」と判断され、安心してお取引を完了することができました。
40cmの深さで埋蔵文化財が見つかったときは、さすがに焦りました……!
新築戸建てと違い、「土地」の取引には、ひとつとして同じものがありません。道路幅や高低差、周辺環境、地形、法規制など、土地にはそれぞれ独自の事情があり、「何の懸念もない取引」はむしろ例外的です。そのため、各物件の特性を正確に把握し、必要に応じて近隣との交渉や調整を行うといった、柔軟で丁寧な対応が求められます。
特に多いのが、「越境」や「近隣との関係性によるトラブル」です。
※越境とは:ブロック塀や建物の軒先などが隣地にはみ出していたり、逆に隣地から自分の敷地に越境していたりする状態を指します。
こうした越境は、建築許可や融資審査に影響を及ぼすことも多く、是正工事や覚書の取り交わしが必要になるケースが増えています。また、土地売買において欠かせない「測量」についても、隣地所有者との関係がこじれている場合は、立ち合いや押印を断られ、トラブルに発展してしまうこともあります。
このように、不動産の現場は、マニュアル通りにいかないことがほとんどです。だからこそ、豊富な知識と経験、そして何より「信頼関係の構築」が何より大切だと感じています。
今回のS様とのご縁は、まさにその信頼が4年越しで実を結んだ、象徴的な出来事でした。
長い年月をかけて築いた信頼が“ご依頼”という形で結実し、最後まで責任をもって橋渡しができたこと。それこそが、不動産仲介の本質であり、この仕事の何よりの醍醐味だと、改めて実感する6月となりました。
※おまけ
7月上旬には、毎年恒例で楽しみにしているお笑いコンビ『さらば青春の光』の福岡公演に参加してきました!お子様には少々刺激が強いであろう、大人向けのブラックコントは今年も健在で、最高に楽しませて頂きました!!
公式YouTubeチャンネルでも過去のコントが楽しめますので、興味のある方はぜひご覧になってみてください!